戯言

戯言です

ぬいぐるみ

女はぬいぐるみが大好きだ。

アニメのキャラクターや、動物、地方のゆるキャラなど、可愛らしいぬいぐるみを見ると買わずにはいられなかった。

ぬいぐるみに囲まれて、部屋が埋まっていくことに幸せを感じていた。

ひとつひとつの顔がきちんと見えるように拘って配置を決めていた。

 

ある日、女はぬいぐるみとぬいぐるみの間に隙間ができてしまうことに気付いた。

それぞれのぬいぐるみの凹凸に合わせて、且つ顔が見えるように2週間かけて並べ替えたが、それでもどうしても隙間が空いてしまった。

女はこの隙間をどうにか埋めたいと考えた。

しかし、生活必需品以外全ての持ち物がぬいぐるみなので隙間を埋めるものなど何一つなかった。

女は考えた末、自分のゲロを撒き散らした。

食べては吐きを5日繰り返し、見事に隙間なくぬいぐるみと吐瀉物にまみれた部屋が出来上がった。

女は翌日、自殺した。